気密性能の必要性

●C値と【自然換気回数+計画換気回数】

気密性能と密接な関係にあるのが自然換気回数です。
自然換気とは24時間換気システムや換気扇などの換気装置とは別に家の隙間から入ってくる風などで自然に室内を換気する現象のことで、それが1時間に室内を何回換気するのかを表したのが自然換気回数です。                                                 例えば自然換気回数1.0(回/h)であれば、1時間に1回、室内の空気を全て入れ替えることになります。
また計画換気回数は建築基準法で定められていて0.5(回/h)です。全ての住宅が計算上0.5 (回/h)になるよう計画され、建てられています。 ※ 0.5 (回/h) = 2時間で1回
隙間が多あり(気密が悪く)自然換気回数が多くなれば、 2時間で1回 室内の空気が入れ替わればよいのに自然換気回数分余計に入れ替わってしまい、せっかく冷暖房されたエネルギーがロスされてしまいます。

下に示すのはC値が5.0、2.0、0.3(㎝²/m²)の時、自然換気がおこなわれる回数を表しています。自然換気の多くは室内外の温度差により発生するので、室内外温度差30℃の時を例に見てみましょう。 

室内外温度差30℃のとき、自然換気回数は約0.5(回/h)になります。これは建築基準法で定められた室内の換気回数と同じです。
ということは、自然換気0.5+計画換気0.5=1.0(回/h)になるので1時間に1回室内の空気が入れ替わることになります。                                                       つまり過換気となりエネルギーロスの多い住宅といえ、高気密住宅とはいえません。

室内外温度差30℃のとき、自然換気回数は約0.2(回/h)になります。
つまり自然換気0.2+計画換気0.5=0.7(回/h)となり、確実に自然換気が起きていることを示しています。                                      まだまだロスがあるので、完璧な高気密住宅とはいえないでしょう。

室内外温度差30℃のとき、自然換気回数は約0.03(回/h)になります。
つまり自然換気0.03+計画換気0.5=0.53(回/h)となり、ほとんど自然換気によるロスがないことがわかります。
ゆえに換気計算通りの2時間で1回空気が入れ替わる住宅です。                                      完璧な超高気密住宅といえます。

上記の結果のように気密性能が計画換気に及ぼす影響が大きいことがわかります。
エネルギーのロスは勿論のこと、空気の入口と出口を明確にでき、確実で効率的な換気経路を得るのにも重要な性能です。また隙間だらけでグラスウールなどの綿上の断熱材を使用している場合には構造躯体を腐らせる内部結露の危険性も上がります。
このようにとても重要な要素である気密性能を知るには計算では得られません。建物ごとに気密測定をする必要があります。
召田工務店では全棟気密検査を実施していますのでご安心ください。